インタビュー:上田 親寿さん

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上田 親寿
大分県中津市出身。

プロのドラマーを目指して上京。2000年にタブラ(ダラブッカ)を叩き始めてエジプトへ修行にでる。エジプトにてスーフィーと出会いを果たして衝撃を受け、本格的に活動を開始。タブラユニット「タブラクワイエサ」の主宰をはじめ、レッスン用DVDを発売するなど様々な方面で活躍している。

一億人総タブラ化計画!

-ブログのタイトルにもなっている一億人総タブラ化計画はどんな調子ですか?

今のところは日本でおそらく1000人くらいですね。一億まではまだまだですが、先日聞いた話では「タブラを初めようと思ったらタブラクワイエサは避けては通れない」と言ってくれた人がいてとても嬉しかったですね。これからも様々な活動を通して、日本中にタブラを広めていきたいですね。

-避けて通れないといわれるのはとても嬉しいですね!元々はドラマーを志していたそうですが、タブラを本格的に始めたきっかけや、魅力など教えてください。

ドラムをはじめた頃は少なからず「女の子にモテたい」とかいう気持ちがあったことは否めないですよね(笑)でも、タブラに出会ってからは純粋に楽器に惹かれていったというか。余計な事を引っこ抜いて好きになれたのが一番の違いですね。本格的にタブラを始めたきっかけは、タブラの修行をしに2000年にエジプトに渡った時にスーフィーと呼ばれるエジプトの伝統芸能に衝撃を受けたのがきっかけでしたね。その時はちょうどドラムをたたいていてもボーカルのバック的な印象がぬぐえなくて、ドラムをやっているうちはメインになれないかな…と思っていたときだったので、スーフィーを見たとき、太鼓めちゃくちゃメインじゃん!と思ったのも影響してます。

ドラムはスタジオやスペースがないとすぐに練習をすることはできないですが、タブラなどの太鼓はセッティングなども特に必要ないですし、叩きたい時に気軽に叩けるというのも魅力ですね。

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-確かに、叩きたいと思ったときややりたいと思ったときにすぐに実行できるというものは心惹かれるものですね。タブラを叩くようになって、またエジプトによく行く様になって宗教に興味は出ましたか?

そうですね。太鼓も日本で練習しているよりもエジプトで練習していた方がなぜかうまくなっている気がしますし、エンジンを積んでない車も走ってそうな感じの国ですから(笑)、何かと神秘的な事は多いですよね。アッラーを感じますよ。

-エジプトの交通事情はすごいですね(笑)太鼓での演奏を通じて世界に伝えたい事はありますか?

やっぱりなんと言っても世界平和でしょう。戦争する暇があるんだったら太鼓叩けって感じですよね。

-戦争は何も生み出しませんからね。それよりも太鼓を叩く事で笑顔が生まれる方がよほど貴重な事だと思います!世界の平和のためにも一億人総タブラ化計画をがんばってください!次のページではエジプトについて、伺ってみたいと思います。

生きたエジプトを語る。

-エジプトにはもう何度も行かれていると思いますが、見どころなどをお願いします。

まだエジプトに行った事がない人はとにかく一度行ってみてほしいと思います!それも、ヒルトンなどの一流ホテルではなくて、ダウンタウンの安いホテルに泊まってほしい。そうする事で本当にエジプトのノリを実感できると思うんですよね。

 特に、エジプト人は大阪や九州の人と気質が似ているので、特に西日本の人は絶対にハマると思う。宗教柄、男社会なので、話のノリやバカ騒ぎ加減がわかりやすく言えば男子校のイメージなんですよね。カイロなんかはまさにそれです。一日5回もアザーンが鳴ってるし、女性はほとんど外にいない。と言うような日本とは全く違った情景を見ることが出来ますよ。

-男子校のイメージですか。なんとなく想像が出来るところが面白いですね。ツアーではいけないようなダウンタウンの安宿に泊まってそういったリアルなエジプトを感じてほしいと言う事でしょうか?

そうですね。やはりリアルなエジプトを知ってほしいです。そのためにはツアーではなくて個人旅行などでゆっくりとエジプトを体験してほしいと思いますね。カイロ市内に楽器屋などがたくさん並んでるアタバという場所があるのですが、そこで言葉もわからないなりに会話してみたりというのも面白いと思いますよ。

最近ではアメリカン大学の近くに女性が一人でも安心して入れるようなカフェが出来たりしているんですよ。こういったことも、ツアーで行っていると、わからない事ですよね

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-そうですね。エジプトと言うとどうしても遺跡というイメージが大半を占めてしまいがちですからね。やはりツアーではそういった所を巡るのが一般的だと思いますし。

そうなんですよ。確かにエジプトというとピラミッドや遺跡なんか観光の目玉なのはわかるんですけれど、街そのものが私たち日本人からするとまったく別の世界なので、そういう生きているエジプトのコンテンツと言うものも学んでほしいですね。

-なるほど。生きているコンテンツを学ぶ事は現在のエジプトを知るということですからね。とても重要な事だと思います。そういえばタブラの練習など、エジプトではやりやすいのでしょうか?

やはり本場のリズムを習えると言う事や、タブラの音はエジプト人にとって騒音ではないということでエジプトでの練習はやりやすいですし、非常にためになりますね。ただ自力で先生を探すのが大変かもしれませんね。言葉の問題も少なからずありますし。

-エジプトでの本場のリズムを学習するためには、情熱と努力が必要と言う事になりますね。今後エジプトでもそういったタブラを習いに来る人たちのために受け入れの体制を整えてくれると嬉しいですね。それでは最後に今後のタブラクワイエサの目標などを聞いて行きたいと思います!

目標はズバリ日本制覇

-今後のタブラクワイエサの目標としてはやはり、一億人総タブラ化計画の成就でしょうか?

そのためにもまずは日本制覇ですね。とりあえずタブラ化するためにも知ってもらわなければ始まらないので。日本全国の都道府県でライブやリズム教室を開催して、エジプトのタブラやリズムを知ってもらうための努力をして行きたいと思っています。タブラをやってほしいのはもちろんみんなにやってほしいのですが、その中でも特に子供たちに積極的に取り組んでほしいですね。学校の授業でもタブラを触る機会が増えていくと嬉しいです。高校になると、タブラを吹奏楽で取り入れているところもあると聞きましたけれど。

-子供たちがタブラをするようになって、「タブラが日本中の人が人生で一度は触る楽器」になるといいですね。リコーダー的な感覚で。大人になってからタブラの話で盛り上がってじゃあ叩いてみようか。なんてなると素敵ですね。

そんな国民的な楽器になってくれるとうれしいですね。さらにタブラを通してエジプトとの音楽や文化の交流が盛んになってくれると言うことなしですね。いろんな意味でエジプトを盛り上げていきたいと思います。

-日本全国でタブラの音が響き渡る日が来ると楽しいまいにちになりそうですね!これからも一億人総タブラ計画含めて世界平和のために楽しいリズムを世界に配信してください!今日はありがとうございました!


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上田親寿主宰、日本初のタブラユニット「タブラクワイエサ」

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タブラクワイエサメンバーでのエジプト合宿。エジプトの師匠とともに

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エジプトのサッカーチーム「AL AHLY」のアブトレイカ選手と