エジプトの食と美容健康

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古代より親しまれているエジプトの食品、食料の中には現代でもその栄養価が認められて、美容食として広く親しまれているものが多数存在しています。また、各国の食文化はその国の歴史にも繋がり、その国の風土、文化と密接に関係していると考える事ができます。こちらでは、そうしたエジプトの食文化と食の美容効果、健康効果について学んでいきましょう。

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(写真提供:旅先photo)

右の写真は代表的なエジプトの食事です。テーブルにずらりと並ぶ料理の数々はエジプト人にとっては家族と過ごす大切な時間をよりおいしく、より楽しいものにしたいという気持ちが込められています。料理はレンズ豆やひよこ豆といった豆類が多く登場します。主食はパンになりますが、米もよく食べられています。代表的なエジプトのファーストフード「コシャリ」ではパスタをご飯と一緒に混ぜて食べるという独特な特徴を持っており、豊かな食生活を送っていることを物語っています。

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(写真提供:エジプト観光局)

現代に至っては、世界各国で冷凍保存の発達や、輸送時間の短縮などによって昔から食べることが叶わなかったような食材が手に入るようになり、エジプトでも様々な食品が親しまれるようになって来ています。それと同様に、日本でも生産技術の向上などによってエジプトの食材が手に入る機会が増えてきました。

世界的に大手のファーストフード店もエジプトで見かけるようになり親しまれていますが、昔からの家庭料理や民族料理はまだまだ根強い人気を持っているようです。それではここからは実際にエジプトで親しまれている民族的な伝統料理や食文化、またその料理、食材の健康効果に迫ってみたいと思います。

エジプトの食材

エジプトの食材のお話です。エジプトの食材と言うとパッと思いつくものではにんにくとモロヘイヤが思い当たりますが、それ以外にも様々な食材が古代からエジプトの食生活を彩ってきました。

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(写真提供:All About)

まず初めにスパイスの数々。これらはエジプトではなくてイスラムの影響で販売されていたのかと思いきや実はそうでもなく、古代からエジプトで親しまれてきたスパイスたちだといいます。以下はAll Aboutさんからの抜粋。

古代エジプトでは、スパイスは貴重な薬、香料、化粧品などの役割を果たしており、なかでも、数種類のスパイスは精力がアップする妙薬として珍重されていた。その証拠に、「千夜一夜物語(アラビアンナイト)」の「アラジンの物語」では、このように伝えられている。・・・子供に恵まれないカイロの商人が、市場の老人から強壮剤を手にいれ、それを飲んだらやがて子供が授かった。その強壮剤には、シナモン、クローブ、カルダモン、しょうが、白こしょうなどのスパイスが含まれ、オリーブオイルで煮立てたものだった・・・

なるほど、スパイスと言うものは古代のエジプトから延々と愛されてきた食材だったのですね。それも、薬効などをすでに知っていて利用していたと言うのだから、その知恵と知識には驚かされるばかりです。また、化粧品にもスパイスが利用されていたと言うのですから、私たちの想像していたようなスパイスとは、一つも二つも奥の深いものだったようですね。< 当然スパイスのほかにも様々な食材があります。エジプト発祥の食材と言われているものの一つにはキャベツもあり、キャベツはナイル川周辺の工作地帯で、主に貴族やファラオなどの食材として栽培されていたようです。庶民はキャベツや野菜などを頻繁に口に入れることはなく、小麦で作ったパンを主食としていたとされています。 ここで出てきた小麦もエジプトでは重要な食材として扱われていました。庶民はもちろんの事、貴族やファラオにいたっても野菜の他にはパンを食べて生活していましたし、日本で言う米のような存在でした。パンもエジプトでは20種類以上の物が多様に作られていたとされています。 健康食材としても有名なのは、最初にあげたにんにく、モロヘイヤのほかにもう一つゴマもあげられます。 ゴマの健康価値は現代の私たちの知っている事はもちろん、古代のエジプトでも良く知られていて、男性を初めとして女性も美容の為に食事に取り入れるなど積極的にゴマを食べていたようです。また、パンに付けて食べる汁の材料としても重宝されてきました。 それではここからは各食材の美容効果や栄養面などを考慮しながら見て行きましょう。

豆類

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エジプトの代表的な食材には豆類は欠かせないものとなっています。特に、レンズ豆とひよこ豆はエジプトを代表する豆の中でも1、2位を争うほど良く料理にも利用され古来からエジプト人に最も親しみのある食料の一つとして君臨してきました

その中でもひよこ豆は特にエジプトの中でも有名な豆として知られ、別名をガルバンゾー、エジプト豆とも言われています。栄養価はたんぱく質が多く含まれていて、その他にも脂質、炭水化物、ナトリウムを含んでいるなど、穀物食品の足りない栄養分を補うような役割を果たすとされています。

自然な味わいで食感もいいので、日本人が食べても親しみの持てる食材としてもオススメできます。

(写真提供:小堀産業)

モロヘイヤ

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現在では野菜の王様として世界各国で親しまれているモロヘイヤですが、古代のエジプトでは非常に一般的な食材として親しまれていました。現在の日本でもスーパーなどに行けばモロヘイヤが販売されているのを見ることが出来ます。

モロヘイヤにはミネラルやビタミンを豊富に含んでいる上に、カロチンの含有量も全野菜中トップクラスになるので、活性酸素を抑制する力が非常に強く、老化を抑制する働きがあるなど美容効果も大きく期待される食材としても有名です。

様々な栄養素が多く含まれているために非常に注目されている食材ですが、あまり日本ではシェアが広まっていないというのが実情のようです。

(写真提供:園芸ミニ講座)

松の実

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エジプトでは古来から松の実というものも非常に良く食されてきました。単体を調理する方法はあまりなかったように見受けられますが、様々な調理のトッピングとして利用されていたりと仕様用途は広かったようです。

松の実は現在でも高級な食材として世界各地で重宝されています。その松の実の栄養分はマグネシウム、リン、亜鉛を非常に豊富に含んでいて、さらには他の植物性油には入っていないピノレン酸というものが入っているため、健康と美容に非常に大きな影響を与えるとされています。

ピノレン酸というのはコレステロールの抑制を初めとして、高血圧の抑制、肝脂肪を低下させるなどの多様な働きをしてくれる優れた成分です。エジプトに限らず古来から世界各地の様々な地方で松の実は女性の美肌作りに役立つとされて多くの人々に利用されてきた食材のようです。

(写真提供:YamYamHompo)

にんにく

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日本でも強壮効果、疲労回復効果があり、毎日を健康に過ごすためにという事で様々な商品が出回っているにんにく。実は、エジプトでも古来から様々な人々に愛用されてきました。

その栄養効果は、主にカリウム、カルシウム、ビタミンB1、B2、ビタミンCなどが多く含まれていて、豊富なビタミンは美肌作りに必要不可欠なものとなっています。さらに、にんにくを傷つける事で発生するアリシンという成分は疲労回復など様々な効果をもたらし、人間に活力を与えてくれる成分です。

また、にんにくに豊富に含まれているビタミンB1は精神の緊張をやわらげてくれる効果があるなど、近年の研究では健康や美容だけではなく、精神的にもサポートをしてくれる優れた食材だと言う事が明らかになってきました。

(写真提供:まほろばの里)

ラム肉

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日本でもジンギスカンの材料として有名なラム肉ですが、世界中で最も広く食されている肉と言えば、実は牛や豚ではなくて羊の肉だったりもします。

古代のエジプトでもラム肉は非常に広く食されていました(とはいっても、農民階級ではなかなか食べる機械はなかったと思われます)。ラム肉の最大の特徴は他の動物の肉と違って油分の少なさ、ヘルシーさといったところにあるといえるでしょう。

実はラム肉の脂は融点44℃と、他の肉と比べても高く、人間の体内に入ってもめったに溶け込むことはなく、吸収されずに体外に排出されます。こういった点からラム肉を摂っても脂肪分に変わることは少なくヘルシーだといえるのです。

また、コレステロールが少なく、100gあたりのコレステロール量は魚肉と同程度しかありません。他の肉と比較しても格段に少ないのがわかります。さらに不飽和脂肪酸が多く、ビタミンが豊富であるなど栄養面でもしっかりしているので、きちんと食事を取りつつもヘルシーにすごしたいという人にとっては断然オススメできる肉となっています。

古代の王様や貴族の人々もこうしたラム肉を様々に調理して日々の食生活を楽しく豊かにしていたと考えられています。

(写真提供:ジンギスカンのあんべ)

茄子

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茄子は日本でも食卓に欠かせない野菜の一つとなっていますね。それは古代のエジプトでも変わらず、昔から重宝されてきた食材の一つとしてあげることが出来ます。

茄子に含まれる栄養素は、大半がカルシウム、鉄、カリウムなどのミネラル成分ですが、その他にも食物繊維を豊富に含んでいるなど、体が活動する上で重要な昨日を整えるなどの作用があります。

さらに、茄子の皮にはアントシアニンやポリフェノールなど、おなじみの健康成分が入っていて、これらは体が老化していくのを防ぎ、若若しさを保つ働きをします。美容食品としても優れた野菜といえますね。その他にも茄子には抗がん作用や肥満を抑制する作用などもあり、人体に様々な良い影響を与える食物です。

(写真提供:北信州の道草図鑑)

カボチャ

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カボチャも茄子同様にエジプトでも古代から庶民、貴族など身分を問わず好まれた野菜として有名です。現在でも緑黄色野菜に分類されて、様々な栄養素が高いとして健康的な野菜としても注目されています。

特に豊富に含まれるビタミンEは老化を防ぐ役割を果たし、体にしわやしみを出来にくくする働きがあります。肌に張りを与えて若々しい体を維持するのに重要な役割を担っています。その他にも肩こりや血液不順による冷え性などを解消する働きもするので、健康にも非常に役立ちます。

さらにカボチャに含まれているβカロチンという成分は、ビタミンEの働きを助けて老化を防いだり細胞ががん化するのを抑制する働きがあるなどの効果が期待されています。免疫力を高める効果もあり、健康に日々を過ごすと共に美容に適した食材として注目を集めています。

(写真提供:LOTTE SNOW)

ヨーグルト

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エジプトから程近いトルコが発祥のヨーグルトは古代のエジプトでも親しまれており、レーベンという名前で呼ばれていたそうです。現在のエジプトではザバディと呼ばれていて人々に親しまれている食品です。

ヨーグルトの主成分となる牛乳には人間の体を作るのに必要不可欠な成分が豊富に含まれていますが、ヨーグルトにはそれらの栄養素の質を高める作用を持つ乳酸菌と呼ばれるものが含まれているために、牛乳よりもよりよい栄養を補給する事が出来るといわれています。

また、乳酸菌によるはたらきでヨーグルト内のたんぱく質はペプチドやアミノ酸として分解されて、私たちの体内での食物の消化、吸収を助けてくれるなどの役割を持っています。潤いのある綺麗な肌を作るのは内臓の働きが正常である事が非常に深くかかわっていて重要だといわれています。ですから、間接的であるにせよ美容効果も優れていると考えられる食品だといえるでしょう。

ただし、一回性ではあまり効果が期待できず、日々の食生活にヨーグルトを取り入れていくなどの継続が非常に重要になってきます。

(写真提供:すこやか食生活協会)

スイカ

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スイカといえば日本の夏に欠かせない風物詩ですよね。しかしそのスイカのルーツは大昔のアフリカまでさかのぼります。原産は国は特定できていないようですが、熱帯アフリカの砂漠地帯かサバンナ地帯ではないかと言われているようです。

5000年前のエジプトの遺跡を見ても、スイカを栽培している絵が描いてあるのがわかりますから、エジプトでははるか昔からスイカを食べていたという事になりますね。それからギリシャ、はては中国、日本まで広がったと考えられているようです。

スイカの中身の成分は90%以上が水分とされているため、一般的には栄養価は非常に低いと思われがちですが、それは間違っていて、スイカの中には多くの栄養がぎっしりと詰まっています。その中でもスイカはカリウムの含有量が多く、体のむくみを取ったり、肝機能を正常化させたりと美容と健康に非常に役立っています。肝臓の機能が低下すると新陳代謝が悪くなってしまうので、肌を美しく保つためにもスイカはうってつけの食材といえるのではないでしょうか?

そのほかスイカの中にはシトルリンと呼ばれている成分があり、それは体内の毒素であるアンモニアやダイオキシンなどといった有害な物質を除去して、腎臓を綺麗に濾過してくれる役割を持っているなど、健康にも非常に有効な事がわかってきました。近年の研究では、体の老化を防ぐ抗酸化作用も持っているという研究結果が出ていて、エジプトで古代から食されていたスイカの重要性が改めて発見された形となりました。

(写真提供:Hallo MART)

食生活

さて、エジプトといえばどのような食事を思い浮かべるでしょうか?まず、エジプトの食生活を語る前に大きく分けることが出来る点があります。それは古代エジプト時代の食生活と、イスラム教が信仰されるようになってからの食生活では大きく異なるという点です。生活スタイルの変化もありますが、イスラム教では豚肉を食することは禁止されています。今日のエジプトの食生活はイスラム教によって大きく左右されていると言えるでしょう。

では、古代の食生活はどのようなものだったのでしょうか?

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ファラオの食卓(写真提供:KIRIN様)

まず、ファラオの食卓ですが、魚、肉と食べきれないほどに豪華に並び、野菜も豊富ですね。写真中央の器に入っている赤黒色の飲み物はワインです。当時のエジプトではブドウの生産は地中海沿岸のわずかな地域でしか栽培されなかったために、一部の高級貴族かファラオしか口にすることは出来ませんでした。また、収穫されたワインの一口目はファラオが必ず口にするなどの掟もあったといわれています。

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貴族の食卓(写真提供:KIRIN様)

次に貴族の食卓ですが、ファラオほど豪勢とまでは行かないにしても豊かな食生活を送っていたと考えられています。種類の豊富な野菜を中心にして肉などを食していたと考えられます。

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庶民の食卓(写真提供:KIRIN様)

庶民の食卓では、豆類が多くこれらの食材を茹でて食べるなどしていたと考えられています。調理できないものに関しては生で食することもあり貴族との食生活には大きな差があったようです。しかし、古代のエジプトでは庶民でも手軽にビールを飲むことができ、周辺の同時代の国と比べると豊かな食生活を送っていたのかもしれません。また、肉は一部のお祭りの時しか口にしなかったものの、魚は庶民でも食べる機会は多かったと考えられているようです。

エジプトの現在の食生活と言うのはやはり日本とは随分と違っていて、味付けももちろんですが、宗教的な影響を色濃く受けています。

日本との違いで最大の特徴と言えるのがやはり、豚肉。イスラム教国家のエジプトでは大半の人が豚肉を食べませんし、エジプトの人々が海外に出ても豚肉はやはり遠慮します。その代わりに肉食では日本でも親しまれている牛肉、鶏肉が多く、また羊・鳩・ウサギの肉なども一般的に食用として販売されていたり、レストランで出てきます。

とはいっても、豚肉がエジプトにはまったくないのかといわれるとそういうわけでもなく、豚肉はスーパーなどでは見かける事がありませんが、一部のキリスト教信者の運営している食肉店などでは豚肉を購入する事も可能です。

エジプトでの一般的なスープはモロヘイヤを使用したとろみのあるスープで、最近は野菜は日本でも多く出回るようになってきました。栄養価が非常に高く、体にいいということで評判になっています。エジプトではこのモロヘイヤスープは古代から食されてきた伝統あるスープで、民族料理と言っても過言ではないほど、エジプト人の食生活には欠かせない者となっているようです。

本場のエジプトの料理は全体を通して油の濃い調理法が多く、日本人には馴染みの薄い食べなれない料理が多い、というのが現状です。しかし、炎天下の元で生活をしているエジプト人にとっては貴重なエネルギー源となるなど、その恩恵は余りあるほどの物となっているのでしょうね。

最後にエジプトの菓子類に関してですが、エジプトの菓子は総じて甘いものが多く、日本人の私たちには甘すぎると言うほど甘いものが多いのですが、これはエジプトがサトウキビから作られる砂糖の総生産高が世界一という国柄と、イスラムの開祖、ムハンマド(別表記でマホメット、モハメッド)が非常に甘いものが好きだったと言う事が影響していると言われています。

また、食生活の中で避けて通れないのはラマダンと呼ばれる断食の月があり、これはイスラム教徒が、日の昇っている間は食事はもちろん、水一口、厳格なところではつば一滴ものどを通してはならないつきとされ、この時期は日が落ち暗くなってから1日の食事をまとめて取るようになっているようです。このように、エジプト人はイスラム教の影響を色濃く受けた食生活を送っているというのが現状となっています。

美容料理

エジプトに昔から伝わっている料理の数々。その中には現在でも食されているものが多く、またとても体にいいものがたくさんあります。そういったエジプトの食材を利用した料理を紹介して行きましょう。

タヒーナ

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タヒーナというのは、エジプトの古来から食されてきたもので、ごまのペーストの事を指します。

ごまの栄養分はそのほとんどが脂質となっていますが、その中身は不飽和脂肪酸というものに分類されていて、血中コレステロールを下げたり、動脈硬化の予防をする働きを持っています。また、ビタミンEも豊富に含んでいるので老化予防や、白髪の防止といったような美容高価があるとの研究結果が出ています。

タヒーナはごまの欠点である皮に内包されたままだと栄養がほとんど吸収されないという状況をすりおろしてペーストにすることで改善した、古代の知恵が詰まった食品です。写真はババガンヌージュという温野菜にタヒーナを付けているものですが、古来ではピタパンに付けて食べるなど、様々な利用方法がなされていました。現在でもエジプト本国ではパンにタヒーナを付けて食べるという事が日常的に行われているようです。

日本人の口にも非常に合うので、抵抗なく食べる事が出来ますよ。

(写真提供:エルサラーヤ)

モロヘイヤスープ

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モロヘイヤスープはエジプト古代から身分を問わず親しまれてきた料理の一つとして有名です。エジプトではモロヘイヤの栽培は5000年以上も昔から行われてきましたが、日本にモロヘイヤの名前が知れ渡るようになったのはつい20年ほど前だと言います。

モロヘイヤスープは手軽に作れるうえに、モロヘイヤの栄養を欠くことなくそのまま食事できるので、非常に優れた調理法です。独特の臭みなどはなく、スープの味に馴染むので日本人でも安心して食べる事ができるでしょう。スープにすることで、モロヘイヤに大量に含まれているカルシウムがしゅう酸とくっついて栄養を吸収しにくいしゅう酸カルシウムになるのを防ぐ他、溶け出したビタミンなどもスープの汁と共に飲む事ができるので、栄養を逃さず摂取する事が出来ます。

モロヘイヤというと独特の粘りがありますが、この粘りはオクラなどの粘りと同じで、ムチンという物質が原因です。ムチンは水溶性の食物繊維の一つで、糖分の吸収を遅らせると共に血糖値の上昇を防ぎ、胃を保護するので胃炎などにも効果的だといわれています。

(写真提供:エルサラーヤ)

豆のスープ

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上の写真はレンズ豆のスープです。レンズ豆は中東で古くから食べられていたもので、エジプトでも古代から人々の間で親しまれてきました。皮がついている時は緑色に、皮を剥くと写真のような黄色っぽい色の豆が出てきます。

直径は約8mmほどで、厚さは2mm程度。レンズ豆というのは昔からこの名前で呼ばれていて、私たちが想像する後世になって作られたレンズはこの豆から名前を取ったとも言われています。日本名ではひら豆と呼ばれて親しまれていますね。

レンズ豆は鉄分、ビタミンB2が非常に多く含まれていて、脂肪の分解を助けてくれると共に女性に特に見られがちな貧血に効果的です。炭水化物や油ものが好みで、良く食べる人にオススメの食材と言えるでしょう。スープにすることで食べやすく、他の野菜を入れることで様々な栄養を取ることが出来るので、非常に有効な料理法といえますね。

(写真提供:エルサラーヤ)

コシャリ

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エジプトでは少し小腹がすいたときなどに良く食されるのがコシャリです。ライスの上にトマトソースやひよこ豆、肉やたまねぎといった好みの具材とパスタを絡めて混ぜて食べるご飯の事をコシャリといいます。

どのようなものを混ぜても構わないので一口に栄養分をお話しすることは難しいですが、様々な食材、特に野菜が入る分栄養価は高くなるので、健康にも美容にもオススメの一品です。本場エジプトでは宗教上の関係で豚肉を入れることはありませんが、豚肉を入れてみても美味しくいただける一品です。

日本のお好み焼きのように好みの具材を入れて、楽しく食べれるのも楽しみの一つですね。楽しみながら美容と健康にいいご飯を食べてみてはいかがでしょうか?なお、良くコシャリに好んで入れられるひよこ豆は血液の合成を助けるなど、健康高価は抜群で、スタミナがないときなども助けてくれる優れた豆として有名です。特に女性は整理前の不快感を解消できるという事で好んで食べられています。

(写真提供:エルサラーヤ)

お酒について

現在のエジプトはイスラム教文化の影響を受けており、お酒は一般的には飲む事はありません。旅行者などが訪れるレストランなどでは飲む事が出来ますが、現地のエジプト人はまず飲む事はありません。

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(写真提供:ワインが好きなだけ様)

しかし、観光客用としてエジプトでは独自のビールやワインを作っています。代表的なビールとしては「STELLA」という銘柄のもので、プレミアムなど、いくつかの種類が作られています。

SUTELLAビールのほかには「Saqqara」という銘柄のお酒も造っていて、こちらはSTELLAより濃厚、日本のビールに近い味わいを楽しむ事が出来ます。こちらの種類もプレミアムなど何種類かに分かれて作られているようです。

現代ではそのような状況になっているのですが、古代のエジプトではエジプト人が飲むためのお酒が盛んに作られていたようで、それは王侯貴族に限らず、庶民にとってもとても馴染みのあるものとして親しまれてきていたようです。

遺跡に残っている壁画の中にはビールを製作している現場が描かれていますし、そのビールは庶民でも十分に手が出る範囲で出回っていた事がわかっています。

当時のビールというのは、泡立つ事はなくイメージ的には麦茶のようなものだったと考えられています。炭酸と言う技術がなかったので、そのようなビールを飲んでいたわけですが、今から5000年以上も前に作られていたお酒としては異常なほどにアルコール度数は高く、大体9%から10%前後のアルコール度数を記録したと言われています。

今から2000年ぐらい前にギリシャ人がこの古代エジプト人のビールの作り方を書き残しました。ところが、その作り方でいくと1%から1.2%にしかならないんですね。

なぜかというと酵母菌を乳酸菌が殺してしまう。古代ギリシャ人はこのことをきちっと知らずに私たちに教えたということです。

乳酸菌を殺す方法。それはパンだったんです。パンを焼いてその時に乳酸菌を焼き殺してしまう。乳酸菌が死んだところで、酵母菌がパンを餌にして発酵をしていく。そうすると9%とか10%になるんです。

(遊学舎:提供)

上記の抜粋文を読んでもお分かりの通りに、紀元前後のギリシャ世界ですらそれからさらに前のエジプトのアルコールの製造技術に及ばなかったわけですから、相当に高度な技術だったと言う事になりますね。

古代のエジプトではその様に現在により近いアルコール度数のお酒を庶民から王侯まで楽しんで飲んでいたと言う事になります。

また、ワインも古代エジプトでは作られてきました。ワインというと、フランスが原産国というイメージがありますが、大本のワインの原型は今から5000年もの昔にエジプトで作られていて、ファラオや位の高い貴族しか飲む事が許されないものでした。それは、ワインを作る際の材料になる葡萄ですが、乾燥した砂漠の大地では葡萄が育たないために地中海沿岸地域でのみ葡萄が栽培されていました。

そのために、ごく限られた収穫量しか見込めないために位の高い人しか飲む事が出来ないと言うわけだったのですね。

このようにして、イスラムに改宗する前のエジプトではお酒という物は身分によって飲める種類こそ違いはあっても、庶民からファラオにいたるまで大勢の人々に親しまれてきた飲み物として作られていたということがわかっています。現代でも誰もが知っているメーカー、KIRINによって古代エジプトのビールの研究が進められ、エンマーコムギを利用した古代エジプトビールの製作に成功しました。

シーシャ

シーシャというのは中東で最も親しまれているタバコの種類の一つで、日本語に訳すると「水タバコ」というようになります。

文字通り水タバコですから、タバコのとは違って、煙が水を通って口に運ばれます。また、煙は肺に入れずに口の中だけで楽しむ事が一般的です。

中東イスラム圏で親しまれているシーシャですが、呼び名は地方によって様々でSheesha/Shisha(シーシャ)、Narguile(ナルギーレ)、Hookha(フッカー)などと呼ばれています。エジプトではシーシャという名称で親しまれています。

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シーシャは形もさることながら、大きさも様々あり鑑賞物としても楽しむ事が出来ます。右の写真はLUXOR Barにて取り扱っているシーシャの写真です。

普通の紙巻タバコとはちがい、一度火をつけると30分は持つので、ゆっくりと会話をしながら楽しむ事が出来るところもシーシャの魅力の一つですね。

シーシャはタバコとはいえども、様々なフレーバーを使う事によってフルーティな香りから最近ではコーラなどのフレーバーもあり、バラエティに富んだ香り、味わいを楽しむ事が出来る嗜好品です。

シーシャを吸いながら楽しいひと時を過ごしてアラビアンナイトの優雅な雰囲気に浸ってみてはいかがでしょうか?

エジプト人とシーシャ

エジプト人の朝はシーシャとコーヒーから始まる。といわれるほど、シーシャはエジプトの、特に男性の生活には欠かせないものになっています。

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昼間に外に出てみるとカフェは男性たちの社交場としてシーシャを吸う男性で賑わっています。

それでは、エジプトの女性たちはシーシャを吸わないのでしょうか?

実はエジプトの主だった庶民のカフェはほとんどが男性ばかりで、女性が入ることは難しい状況になっています。というのも、イスラム国家のエジプトでは女性は夫以外の男性の前にみだりに出て振舞うものではないとされている事から、男性ばかりが集うような場所では女性のみで行動する事は難しい状況になってくるという事です。

結果、ほとんどの場合カフェを覗いても男性ばかりで女性を見かけることはめったにありませんが、だからと言って女性がシーシャを吸わないかといえばそうではありません。近年では女性と男性がカップルでシーシャを楽しみながら食事を出来るおしゃれなカフェもエジプト国内に誕生していて、多くのカップルで連日賑わっている状況です。

エジプトでのシーシャの料金は大体50pt~1LEが相場と安く提供されていて、炭の交換も無料とエジプト人の生活に必要不可欠なものとなっているのがよくわかります。しかし、女性までもターゲットにしたおしゃれなカフェではシーシャが3~6LEもするなど、まだまだ一般的ではないことが伺えますね。

シーシャの仕組み

シーシャは下の図のような空気の循環によって動いています。

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吸い口から息を吸う事で炭の熱が下にあるフレーバーに伝わって煙を起こします。その煙はどんどん下に下りて行き、水の中を通って浮上、パイプを通って吸い口から出てくるという仕組みになっています。

気になるニコチン・タールに関しては図にも明記されている通り、水を通る事によって成分が溶け出してしまうために、ほとんど体に影響はありません。また、煙独特の苦々しい香りも水を通す事で浄化されるので、フルーティなフレーバーの香りだけを楽しむ事が出来ます。

フレーバーの種類は様々あって、プレーンなフルーツの香りのついていないものから、蜂蜜に付けられたフレーバーや、そのほか、アップルを初めとした様々なフルーツの香りのフレーバーがあります。

フルーツ以外の香りも最近は出回っていて、バニラ、コーラ、キャラメル、カプチーノ、ピスタチオなど一般的なものから変り種まで様々なフレーバーが出回っているために気分によって香りを変更する事も出来て、楽しく吸う事が出来るように、様々な商品が出回っているので、それらを試しながら自分に最適なフレーバーを探す事も楽しみの一つといえるかもしれませんね。