エジプトとの交通
ここではエジプト国内の交通状況について解説させていただきます。
電車・地下鉄の利用法
当国においては、電車・地下鉄は3種類あり、1種類目が全国各地を結ぶ長距離列車、2種類目が主要都市々内を縦横に結ぶ路面電車、3種類目がカイロ市にある “メトロ”と呼ばれる地下鉄である。運営は全て公営である。
長距離列車は日本の感覚でいう通常の電車であり、料金、等級、発着時刻等が定められており、時刻表等の印刷物も発行されている。邦人は概ね1等を利用するが、2等も利用に耐えられる路線が多い。乗車券の購入は、直接駅に出向いて購入するか旅行代理店を通じて購入する必要がある。窓口の駅職員は殆どの場合、英語を解さない。
カイロ、アレキサンドリア等の大都市では、路面電車が走っている。但しカイロでは路線が東北方面に限られており、発着時刻はなく速度は遅く、時間が不定期な上に路線表が存在しないため、実際的な利用には適さない。
メトロと呼ばれる地下鉄は、カイロのシティセンターから南(ナイル河沿いに上流方面)と東北へ1号線が、北(ナイル河下流方向)と南西(ギザ方面)へ2号線が走っている。駅構内は清潔で、浮浪者等も警察が排除しているため、治安は良好である。料金は75pt均一で平常は約10分間隔、ピーク時は約3分間隔で運行している。乗車券は窓口で購入し、自動改札を通ってホームへ行く。窓口の駅職員は英語を解する者が少ない。なお、1両目、時間によっては2両目も女性専用である。
バスの利用法
当国においては、バスには3種類あり、1種類目が全国各地を結ぶ長距離バス、2種類目が市内を走るミニバスで、3種類目も同じく市内を走る大型バスである。ミニバス、大型バスの利用は避けるように勧めるが、以下に概要を記す。
長距離バスは発着場所が市内数個所に限られている。出発時刻は定められているが頻繁に変動するため、時刻表の類は発行していない。発着場所が乗車券の発券場所であり、その場で時刻を確認して購入することとなる。復路のバスの予約、出発時刻の確認は出来ず、各地に於いて直接時刻を確認、購入となる。
ミニバスは定められた2点間を結ぶ路線を走り、その路線上であればどこからでも乗車可能、どこにも降車可能である。定員が決まっているため、満員になると乗車を拒否する。長距離バスと違い冷房設備等はなく、路線図等も発行されていない。
大型バスは行き先がアラビア語と数字で表示されており、一定の路線を走るが、ミニバスよりもあらゆる面において利用が困難である。実際には邦人留学生等も(特に女性)殆ど利用しない。またスリの殆どが、バスの中・乗り降りの際に発生しているので避けるほうが賢明である。
タクシーの利用方法
市内の移動で館用車、自家用車、地下鉄が使用できない場合、タクシーを利用することが多い。
料金算定基準の有無
当国のタクシーは、リムジンを除きほぼ全てが個人経営である。政府により一応の料金基準は発表されているがメーターはない。
リムジンは白、黒、濃紺、赤色などがあり、大抵は1色で、前部ドアに会社のロゴ・マーク・シールを貼っている。通常のタクシーは2色塗になっており、地方ごとに色の組合せが違う(カイロは白と黒ないし濃紺。アレキサンドリアはオレンジと黒、スエズ運河周辺では水色と白)。
リムジンは会社毎に料金を設定しており、ホテルのリムジンカウンタ-などには大抵、一欄表が掲示されている。料金は一般のタクシ-の数倍から十倍になる。一般のタクシーの中では、大型タクシー、ホテル周辺に待機しているタクシ-が割高である。
料金交渉制の有無
タクシーには事前に料金を交渉して乗るのが普通と市販のガイドブックには書いてあるが、一度は料金交渉が終わっても、走行中や降車時に再度交渉されることもある。ある程度現地に慣れ、相場も把握した後は行き先だけ告げて乗り、交渉せずに降りてから助手席の窓越しに相場額のみ手渡す方が楽である。現地の者はこの方法でタクシーを利用している。流しの場合は、料金は1km=LE1程度であるが、主要ホテル前に駐車しているタクシーはこの数倍を要求する。乗車時にはLE1や50pt等の小銭を用意しておくとよい。普通のタクシーをダウンタウン内で利用する場合は5-10ポンドで十分である。また行き先、時間帯によっては乗車拒否もある。
予約方法
一般のタクシーに予約、乗車場等はない(但し、主要なホテルの前にはある程度の数のタクシーが駐車し、客引きをしている)。タクシーは1日中市内を流しているので、空車を見つけて呼び止めることとなる。
リムジンは予約可能であり、直接会社に電話して予約する。主要ホテル及び空港にはリムジン各社のカウンターがある。料金は行き先により決まっており、交渉の必要は無いが、一般のタクシーに比べ相場はかなり高い。また、会社からのリムジン運転手への給与は一定しているため、運転手はチップを要求することが多く、注意を要する(支払うか支払わないかは個人の自由である)。