エジプト関連辞書(や行)

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ヤーセル・アラファート/Yaser ‘Arafat <人物>
本名をムハンマド・アブドゥッラウフ・アル=クドゥワ・アル=フサイニーと言い、パレスチナ解放運動を指導していた。パレスチナ解放機構の執行委員会議長。元々はパレスチナ解放の為にゲリラ活動を展開していたが、ある時期に穏健路線に転じて、イスラエルとの和平交渉に乗り出した。その事で1994年にノーベル平和賞を受賞したが、その後の和平交渉に進展はなく、晩年はイスラエルの反パレスチナ勢力や、パレスチナの反イスラエル勢力などの抗争に頭を悩ませた。2001年よりイスラエル軍によって軟禁状態にあったが、その頃から体調を崩したために2004年にフランスのパリへ治療の為に出向いたが、治療の甲斐なくフランスにてその生涯を閉じた。生前から死後は東エルサレムまたはその周辺に埋葬してほしいと希望していたが、東エルサレムを自国の領土としていたイスラエルはその要求を拒否したため、ヤーセル・アラファートの遺体はカイロにて国葬された後にヨルダン川西岸地区に埋葬された。

ヤハウェ/Yahweh <神>
ユダヤ教キリスト教イスラム教などで唯一神の名前をヘブライ語から推定上音訳したものである。書物においては主と記されることもあるが、エホバの証人の新世界訳聖書においてはエホバと記される。ユダヤ教の聖典である旧約聖書において唯一神であるヤハウェは、旧約聖書を経典としているキリスト教イスラム教においても唯一神として崇められており、それらは同一の神であると考えられている。

ユークリッド原論論第一巻注釈/A Euclid basic principle theory Vol. 1 explanatory note <書物>
一般にはプロクロスの摘要と呼ばれており、エウクレイデス以前の幾何学の発展を伝える唯一の文献であるとされている。詳細はプロクロスの摘要を参照。

ユーピテル/Dieu pater <神>
ローマ神話の主神であるユピテルの別の呼び方で「父なるディエウス」が訛ったものとされている。詳しくはユピテルを参照。

ユスティニアヌス1世/Justinianus I <人物>
東ローマ帝国初期のユスティニアヌス朝の2代目皇帝である。貧しい農家の息子として生まれたが、叔父のユスティヌス1世に招かれてコンスタンティノポリスへと移り住み、高等教育を受けるようになる。ユスティヌス1世が元老院に指名されて皇帝の位に登ると、ユスティニアヌス1世も要職を歴任し、2代目皇帝となった。業績の中にはローマ法大全などの編纂や、ハギア・ソフィア大聖堂の再建など多くのものがあるが、その一方で財政の破綻を招くなど悪影響も残したといわれている。

ユダヤ教/Judaism <宗教>
キリスト教イスラム教の原点になった宗教で、聖書は旧約聖書とされる。古代、中東で始まった唯一神ヤハウェを神として、選民思想メシア信仰などを持つ事で有名な宗教である。ただし、2宗教の原点になった宗教ではあるが、それぞれに見られる排他的宗教観はなく、地球に存在している全ての人間が等しく救いを得ることが出来るという思想を持っているなどの特徴がある。ダビデの星と呼ばれる六芒星をシンボルとして戴いている。

ユダヤ教徒/Judaist <用語>
ユダヤ教を信仰する人々の総称で、中世以前にはユダヤ人そのものを指す言葉でもあった。詳細はユダヤ人を参照。
ユダヤ人/Judai <民族>
ユダヤ人とは、中世以前はユダヤ教を信仰する人々の総称として用いられた。現在(とくに第2次世界大戦以降)では民族としてのユダヤ人を母親に持つ人のことを指す。別称としてはヘブライ人。 キリスト教の根本とも言うべきユダヤ教を信仰していたユダヤ人は紀元前10世紀頃にパレスチナにおいて、古代イスラエル王国を建国したが5世紀ほどの後に新バビロニアによって滅ぼされた。このために、民族が集合して暮らせる土地がなく、ヨーロッパを中心にして離散し、各国の隙間を縫うようにして生活をしていく事となる。 ローマ帝国やナチスドイツによって迫害されるということが歴史上たびたび起こったが、特に悲惨だったのは第2次世界大戦中のナチス政権によるホロコーストである。ホロコーストをきっかけとして、第2次世界大戦以降シオニズム運動が起こり、後のイスラエル建国の足がかりとなった。 ユダヤ人は様々な地域に分散してからもユダヤ教を信仰し続け、時には強引で洗脳的な布教活動等を行ったために多くの国や人々の反感を買う事になってしまう。その結果が迫害や弾圧であり、日本においても強引なユダヤ教と日本の繋がりを主張して憚りのないユダヤ人がいるなど、世界的に嫌悪される傾向が強い。しかし、ユダヤ人のそのような行動とは裏腹に金融面での商業に精通してきたユダヤ人の社会への影響は強く、現代社会における資本主義や民主主義の根底を作り上げたと言っても過言ではないほど、社会そのものに貢献しているといえる。現在ではイスラエルの宗教問題をめぐって主にイスラム教アラブ人と対立することが多い。

ユピテル/Dieu pater <神>
ユーピテルとも言われ「父なるディエウス」が訛ったものとされている。英語ではジュピター(Jupiter)と呼ばれ世界的に有名である。本来は天空の神であり、雷を操るものとされていた。ギリシャ神話のゼウスと類似点が多く、後に同一視されることになる。事実、両神とも古来からインド・ヨーロッパ語族の神話に登場する天空神が起源となっており、北欧神話のテュールなどとも起源が同じである神とされる。エジプトアメン神と同格とされた。

ヨーロッパ/Europe <地域>
通称欧州とよばれ、ユーラシア大陸のウラル山脈より西側の地域を指し、周辺の島嶼・海域を含む地域の総称である。北ヨーロッパ、西ヨーロッパ、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、南ヨーロッパの5つの地域に分けることが出来る。ヨーロッパという名称はギリシャ神話の女神エウロパが起源であり、歴史の父とも言われているヘロドトスヨーロッパの地理的名称として使用し始めたのが直接的な起因である。

ヨルダン内戦/Jordan civil war <用語>
1970年9月にヨルダンで起こったPLOパレスチナ解放機構)と政府軍による内戦である。ヨルダンは当時イスラエルと対立していた経緯もあってPLOを支援していたが、ヨルダン川を越えてのイスラエル攻撃は失敗に終わり強硬手段をとることをあきらめかけていた。 それを寝返りと見たPLOヨルダン政府の転覆を図り、住民から不当な税金を集め、銀行を襲撃し、さらにはハイジャックを行うなど暴挙に暇がなかった。それに激怒したヨルダン政府は行動を決意、ヨルダン各地でPLOとの戦闘が開始され、圧倒的な軍事力を持ってPLOを駆逐した。しかし、PLOを支持していたシリアが軍事介入してきたためにシリアヨルダンの戦争に発展する可能性があったため、アメリカが空母部隊をイスラエル沖に派遣。ついでエジプトが仲介して停戦することとなった。PLOはこの後レバノンへと本部を移して活動することとなった。

ヨルダン・ハシミテ王国/Hashemite Kingdom of Jordan <国>
中東西アジアに位置する王国で首都はアンマン。イスラエルパレスチナ暫定自治区サウジアラビアイラクシリアと国境を接している。立憲君主制でハーシム家出身の国王が世襲統治している。国民の半数余りは中東戦争によってイスラエルに占有されたパレスチナから難民として流入した人々とその子孫である。経済の中心は農業、畜産業であり、その他にも燐鉱石や天然ガスの算出で成り立っている。