エジプト関連辞書(さ行)
サウジアラビア/Saudi Arabia <国>
正式名称サウジアラビア王国と言う。中東・西アジアの国で首都はリヤド。北はクウェート、イラク、ヨルダン、南はイエメン、オマーン、アラブ首長国連邦、カタールと国境を接している。サウード家による絶対君主制国家で、不文憲法国家として有名だが、事実上はイスラム教の聖典であるクルアーンが憲法として位置づけられている。イスラム教国家であるため、ユダヤ人国家であるイスラエルを承認していないが、アメリカやイギリスなどの西洋諸国との関係が深く、友好的であるために表面上の対立は避けているといった現状である。
サッカラ/Sakkara <地域>
メンフィスより南に位置し、ダハシュールよりも北に位置している地域で古王国時代に初めてピラミッドが建設された場所として有名。ジェゼル王のピラミッドコンプレックスを初めとしてウナス王のピラミッド、貴族のマスタバ墳などもあり、見所の観光地となっている。この地域に現存するピラミッドや遺跡は、風化が激しいために中に入って観光できる遺跡は少数となっている。
サハラ砂漠/Sahara <地域>
アフリカ北部を占める世界最大の砂漠で、アフリカ大陸の1/3ほどの面積を持っている。西は大西洋、北はアトラス山脈、地中海に面して、東は紅海に面している。サハラ砂漠には2500万人程度の人が定住しているとされている。人類がサハラ砂漠に住み始めた歴史は古く50万年ほど前までさかのぼるとされている。当時はまだ砂漠化が進んでおらず、野生動物の狩猟が行われていた。英語で表記する場合にはサハラとだけ発音し、砂漠を意味するdesertはつけないのが一般である。
シーア派/Shiah <用語>
イスラム教における二大宗派の一つで、スンナ派に続いてイスラム社会では二番目に大きい宗派である。イスラム教の開祖、ムハンマドの従兄弟アリー・イブン・アビー=ターリブとその子孫だけがイスラム共同体の指導者としての地位を継承できるとする一派である。 信徒は世界各国に分布しているが、特にイラク、イランでは多数存在しており、国内のムスリムの2/3以上がシーア派だと言われている。その他、レバノンなどにも多数存在しているとされているが、政治上の理由で公開されていないために実数を数えることは困難である。シーア派は一つの教義の元に全ての人々の統率が取れているわけではなく、シーア派と呼ばれる中にも様々な宗派が実際には存在している。十二イマーム派、イスマーイール派などがその代表格である。
ジェゼル王/Jezel <人物>
第3王朝のファラオで、兄のサナクトは先代のファラオである。正式な名称はネチェルケト。階段ピラミッドを建設したことで有名だが、実際に設計したのは宰相であるイムホテプだといわれている。またジェゼル王の時代には現在の国境であるアスワン付近にまで国土が広がったと考えられている。
シオニズム運動/Zionism movement <用語>
ユダヤ教徒、もしくはユダヤ人によって故郷の地パレスチナにイスラエル国家を再建しようという運動。1987年にヘルツルがシオニスト会議を主催した事を皮切りにして、1917年にはパレスチナにてユダヤ人国家の建設支援をイギリスが約束するバルフォア宣言。1948年にはイスラエルがついに建国された。しかし、この運動は全てのユダヤ人が望んでいたわけではなく、ヨーロッパに移住していたユダヤ人のうちに既に確固たる地位を築いていた人々は興味を持たない話であった。また、この建国によってヘブライ語が2000数年ぶりに公用語としての地位を復活させた。この時にドイツ語などを公用語にする案も出ていたが、ホロコーストによってその望みは絶たれたと考えられる。
シナイ半島/Sinai Peninsula <地名>
エジプト領にある半島で、アフリカ大陸とアラビア半島の中間に位置している。北は地中海、南は紅海に面している。出エジプトではモーセがシナイ山で十戒を授かった事で有名。
シーワ・オアシス/Siwa Oasis <地名/都市>
リビアとの国境付近にあるエジプト西部のオアシス。古代ではアレクサンドロス大王がエジプト遠征の際に立ち寄ったとされていて歴史は古く、旧市街である泥レンガで造られた町と新市街である町が並立している。
シャッタルアラブ川 <地理>
メソポタミア地方を流れるユーフラテス川とチグリス川が合流したポイントから河口までの範囲を指す。
ジャーヒリーヤ/Jahiliyah <用語>
ムハンマドがイスラムの預言者として立ち上がる以前の他宗教の時代を主に指す。言葉としての意味は無明、無知、愚かさという意味にあたる。まさに、ムハンマドが一神教であるイスラム教を説くまでは真の神(アッラー)を知らない無知な時代であったと、後世になってから見ることが出来る。 1960年代にはジャーヒリーヤ論が展開され、その中には「真のイスラム社会」と「ジャーヒリーヤ社会」に区分され、特に後者はエジプトを非難する事を念頭に置いたものであったため、エジプトからは非常に警戒された。またイスラム法の権威であるアズハルからも非難されたが、ジャーヒリーヤ論はイスラム原理主義グループに脈絡と受け継がれている。
シャリーア/Sharia <用語>
イスラム教における、宗教上の法律の事を総合してシャリーアと呼ぶ。イスラム法とも呼ばれ、その方言となるものにはクルアーン、ハディース、イジュマー、キヤースの4つがある。これらイスラム法を厳格に守っている国家も存在しており、サウジアラビア、イラン、スーダン、シリアでは、政府は法律を作ることが禁止されており、シャリーアだけが国家の法律となっている。
ジャン=フランソワ・シャンポリオン/Jean-Francois Champollion <人物>
フランスのエジプト学者で、ヒエログリフを解読した事で有名。9歳にて既にラテン語を話したといわれ、20歳になるまでに数多くの言葉を理解して習得していた。32歳でヒエログリフを解読したシャンポリオンはその後念願であったエジプトへの調査旅行を果たし、帰国してからは古代エジプト学教授となった。その後、41歳という若さで惜しまれながら亡くなった。
シュウ/Shu <神>
四方の風の主人でありヘリオポリスの神話によれば、テフヌトと共に生み出された最初の性別を持つ神である。また天と地を分かち、世界を作り上げた神として秩序の化身ともされている。
自由将校団/Free officer corps <用語>
第二次世界大戦末期に結成された若い軍人が中心となって、エジプトの世界的地位向上を図った団体である。ナセルが指導者として台頭し、アラブ世界に大きく勇躍する事になる。 1952年にはカイロにて腐敗した王朝を打倒する無血クーデターを達成するなど、ナセルを中心とした軍事、政治活動を活発に行い、ナセルが大統領になるまでの基盤を作った。
ジュピター/Jupiter <神/用語>
ローマ神話に登場する主神、ユピテルの英語名。また、太陽系惑星の木星の英語名でもある。
小アジア/Asia Minor <地域>
アナトリア半島と言われており、主にトルコの領土のアジア部分を形成している。詳細はアナトリア半島を参照。
上下エジプト/Top and bottom Egypt <用語>
エジプトをナイル上流域とナイル上流域に分けて考える地域区分で、その総称を上下エジプトと表現する。
初期王国時代/In the days of an initial kingdom <用語>
古代エジプトにおける歴史区分で、第1王朝と第2王朝がエジプトを統一していた時代を指す。確認できる限りエジプト史上初めての上下エジプトの統一された時代であり、この時に後のエジプトの王権理念、政治体制などの基盤が出来上がった。 第1王朝 第2王朝
シリア・アラブ共和国/Syrian Arab Republic <国>
中東、西アジアに位置する国で首都はダマスカス。国名の由来はかつてメソポタミアで栄えたアッシリア帝国からきているとされている。トルコ、イラク、ヨルダン、イスラエル、レバノンと国境を接している。 アレクサンドロス大王の死後、彼のディアドコイの一人であったセレウコス将軍によってセレウコス朝シリアが建国される。その後の度重なる戦争によって紀元前1世紀には東方に広がっていた国土の大半を失い、ローマ軍によって滅ぼされた。7世紀にはいるとムアーウィヤがカリフとなってダマスカスを首都にウマイヤ朝を立てる。15世紀にオスマン帝国の支配下に入るが1918年に独立。その後フランスに委任統治されるも独立を果たし、エジプトとの連合の為にカイロを首都として一つの国になった。この時の名残として国名、および国旗にてエジプトと共通する点を多く見つけることが出来る。しかし、国を統一してまもなくシリアが独立して現在の国となった。 大統領制を敷いているが実質的には世襲制となっていて、政治力が薄い軍事国家として有名である。1970年代よりレバノンに軍を駐屯させていたが、国際的弾圧と激しい反抗により2005年撤退した。国民の90%がイスラム教徒であり、アラビア語が公用語となっている。
新王国時代/In the days of a new kingdom <用語>
古代エジプトにおける歴史区分で、第18王朝から第20王朝までの王朝がエジプトを統一していた時代を指す。エジプト史上最も栄えたといわれている時代で、その建築物の量などは他の時代と比較しても格段に多いことで有名である。また、現在もエジプトにこの時代の多くの物品が残され保存されている。 第18王朝 第19王朝 第20王朝
神官文字/Shinto priesthood letter <用語>
神官文字とは、ヒエログリフがパピルスに書き込むなどの為に簡略化されて使用されていた文字で、ヒエラティックの事を指す。
真正ピラミッド/A genuine pyramid <用語>
スネフル王の建設した赤のピラミッドによって真正ピラミッドの概観は完成した。その後にクフ王、カフラー王、メンカウラー王によってギザの大地に建設されたのが真正ピラミッドである。このほかにも観光ガイドブックに乗っていないような小さな真正ピラミッドと思えるものが何基もエジプトには存在している。
神聖文字/Holy letter <用語>
ヒエログリフの事。後にヒエラティック、デモティックと簡略化された文字が作られる元となった。
新バビロニア/New Babylonia <国>
バビロンを首都として建国された国家で、西洋では主にカルデア王国として知られる。当時オリエントでは4つの大きな国が乱立している状態が続いていたが、新バビロニアはエジプトと長い間抗争を続けることとなった。2代目の王であるネブカドネザル2世は、現在でも有名な空中庭園を建設し、ユダ王国を滅ぼし、バビロン囚人を行った。 こうして、勢力を大きくした新バビロニアだったがその後3代続いて王が暗殺されるという事態がおこり、最後はキュロス2世率いるペルシア軍に無血入城されて滅んだ。
スウェーデン王国/The Kingdom of Sweden <国>
北ヨーロッパのスカンディナビア半島に位置する国で、ノルウェー、フィンランドと接し、バルト海、カテガット海峡に面している。首都はストックホルム。現王家はベルナドッテ家で、スウェーデン・アカデミーによるノーベル賞は世界的な権威がある。 古くはヴァイキングとして活動していたが、後にキリスト教やヨーロッパ文化を受容し、1300年代後半にはカルマル同盟によってデンマーク、ノルウェーと共に同君連合となった。その後1500年代にカルマル同盟から脱退して王国となり、宗教改革によってプロテスタント国家となった。その後バルト帝国を築き上げてからは新大陸にも植民地を作るなど大国家へと成長した。しかし、ロシアとのバルト海の覇権をめぐって大北方戦争を起こしたが敗北し、沿岸の領土を失い王国は急激に衰退する。 1809年には立憲君主制となり、1818年にフランス人であるカール14世ヨハンを招いて国王とした。これが現在のベルナドッテ家の始まりである。その後第一次世界大戦、第二次世界大戦では参戦しないものの、義勇軍を組織して人道的に守られるべき人々を保護した。1995年にはEUに参加し、それまでの中立政策に終止符を打つ形となった。
スーサ/Susa <都市>
現在のイラン、フーゼスターン州のシューシュタルの前身となった都市で、B.C4000年頃から栄えていた。エラム王国、アケメネス朝ペルシャなどの首都として定められ、繁栄を極めた。しかし、アケメネス朝ペルシャが古代マケドニアによって滅ぼされると、歴史の表舞台から姿を消し、現在はイランの一地方都市となっている。また、現在ルーブル美術館にて見ることの出来るハンムラビ法典碑はこのスーサから発見されたものである。
スエズ運河/The Suez Canal <施設>
エジプト領内にある、地中海と紅海を結ぶ運河。1859年から着工され10年を経て1869年に完成した。建設には12万人強に及ぶ数の人々がコレラなどにかかり死亡したとして、多くの犠牲を払った。 完成当初はフランスとエジプトの共同経営で成り立っていたが、エジプトの経済危機によって株がイギリスに売り渡され、事実上のイギリス独占経営となった。しかしこの後、エジプトにてアスワンハイダムの建設資金援助が打ち切られるとナセル大統領はスエズ運河の国有化を宣言。これに難色を示したイスラエル、フランス、イギリスは相次いでエジプトに侵攻し第二次中東戦争が勃発した。結果として国連がエジプトの正当性を支持したこともあってスエズ運河はエジプト国有となったが、戦争中の沈没した軍艦が航路の妨げとなり、長い間スエズ運河は閉鎖されていたが、1975年にようやく運営を再開した。
スカラベ/Scarab <動物>
糞を転がして地中に埋め、それを食料として生きる昆虫で、タマオシコガネ、フンコロガシとも呼ばれている。古代エジプトでは、創造神ケプリの象徴とされ、太陽神と同一視された聖甲虫として有名で、再生と復活の象徴として崇拝さていた。このため、ミイラにされた遺体にはスカラベのお守りなどが副葬品として送られた。
スーダン共和国/Republic of the Sudan <国>
北アフリカに位置する国で、アフリカ最大の面積を保有している。首都はハルツーム。 スーダンとはアラビア語で「黒い人」を意味しており、もともとはアラブ人から見てサハラ砂漠より南の黒人が住む地域全体を示す言葉だった。スーダンはエジプトとの関係が深く、19世紀にはエジプトのムハンマド・アリー朝によって征服されたがイスラム原理主義勢力がエジプトに対して反乱して独立した。しかし、その後にイギリスとエジプトの連合軍によって再度制圧され、両国の共同統治領となった。自治政府が発足して2年後の1956年に独立を果たした。 その後、一時的に国名がスーダン民主共和国に変更される等の事態が起きたが、元に戻されスーダン内戦などを経て現在に至っている。 東は紅海に面し、近隣をエジプト、リビア、チャド、中央アフリカ、コンゴ、ウガンダ、ケニア、エチオピア、エリトリアと接している。
スネフル/Suneful <人物>
スネフェルとも呼ばれ、父はフニ。子はクフである。第4王朝のファラオで、屈折ピラミッドや赤ピラミッドなど、多くのピラミッドを建造し、また祖先のピラミッドの修復も行っている。シナイ半島への遠征や、レバノン杉やトルコ石の輸入などを通して多くの遺産を残し、エジプト第4王朝を大きく発展させた。
スフィンクス/Sphinx <聖獣>
エジプト神話やギリシア神話、メソポタミア神話などに登場する、ライオンの身体と人間の顔を持った神聖な存在あるいは怪物で、本来はエジプト神話に登場する。しかし、非常に古くからギリシア神話にも取り入れられている。エジプトのスフィンクスは王家のシンボルとして存在し、ギザの大スフィンクスは王の偉大さを現す神聖な存在である。対してメソポタミアやギリシアのスフィンクスは女性化され、怪物として扱われていた。スフィンクスというのはギリシャ語での発音、スピンクスを英語にしたものであり、元々はシェセプ・アンク(生きる像)に由来した名前ではないかという説がある。
スメンクカーラー/Smenkhara <人物>
スメンクカラー、スメンクカウラーとも。アメンホテプ4世との関係ははっきりとしていないようだが、ツタンカーメンとは片親違いの兄弟とされている。在位は2年程度でアメンホテプ4世との共同統治者という意見が強く、アメンホテプ4世が死去したのとほぼ同時期に死去したものと思われている。名前にアテンが入っていない事からも、共同統治者であったアメンホテプ4世とは別にアメン信仰に回帰させる事を望んでいたのかもしれない。とする説もあるが、真偽は不明のままである。
聖刻文字 <用語>
ヒエログリフの事を指す。神聖文字と同様に使われるが使用頻度は神聖文字の方が多く、聖刻文字という表記はまり使用されない。
ゼウス/Zeus <神>
ギリシャ神話の主神で、多くの神々の王として崇められている。天空の神として有名で、多くの女神、そして人間の女性との間に子供が生まれたとされている。オリュンポス12神の筆頭ともいえる立場にあり、エジプトの神アメンと同格とされている。
世界三大宗教/Three world experts religion <用語>
世界で最も広い範囲で信仰されている宗教。教派などをひとまとめにした考え方である。それによれば、キリスト教、イスラム教、仏教が世界で上位3つの信仰を集めている。
世界の七不思議/The world seven wonders <用語>
起源は諸説あるが一般的にはフィロンの書いた「世界の七つの景観」の中で選ばれた古代の地中海地方に存在していた7つの巨大建造物の事が起源とされている。その七つはギザの大ピラミッド、バビロンの空中庭園、ロードス島の巨像、オリンピアのゼウス像、エフェソスのアルテミス像、ハルカリナッソスのマウソロス霊廟、バビロンの城壁が上げられているが、例外的にアレクサンドリアにあったとされているファロス島の大灯台が数えられる事もある。現在ではファロス島の大灯台は度重なる地震によって倒壊してしまい土台だけが残されており、その他建築物に関しても長い年月の間に消滅してしまった。現在ほぼ完全な形で残されているのはギザの大ピラミッドだけである。
セクメト/Secmet <神>
エジプト神話の神で、ラーの左目から誕生した。頭が獅子を象っている女神である。同じく獅子の頭部を持つテフヌトやバステトなどと同一視されることがある。プタハの妻であり王の守護神とされた。 ラーを崇拝しない人間を殺戮するために送り込まれたが、後悔したラーは赤いビールを造ってセクメトに飲ませ、酔わせることで殺戮を止めた。
セム語派/Sem group of a language family <用語>
アフロ・アジア語族の一種で、印欧語族、ウラル・アルタイ語族と並ぶ世界3大語族とされている。現在ではセム語派は印欧語族と近いのではないかという議論がなされているが、立証されてはいない。代表的なものにアラビア語、ヘブライ語などがある。
セレウコス1世/Seleukos I <人物>
セレウコス朝シリアの創始者であり、元はアレクサンドロス大王の家臣であった。アレクサンドロス大王存命中は他のディアドコイに比べて影が薄く、目立ちはしなかったが大王亡き後はにバビロニアの総督として地位を確立した。初めはアンティゴノスと結び勢力を保っていたが、その後に反目しあうようになりプトレマイオスと結んだ。その中で戦況が膠着状態に陥ると東方へ遠征を開始し、インドのマウリヤ朝と協定を結びシリアへと帰還した。その後に再びアンティゴノスと争うがインドで手に入れた戦象を使って撃破し、アジア方面における地位をゆるぎないものにした。
選民思想/Elitism <用語>
特定の集団を、神や血統性に着目して他の集団よりも特別な存在だと認識する思想である。多くはその集団が他よりも勝っていると考え、優越感を得るものであるが、本来選民といえば自分を卑下するものだと考えることができる。それは選ばれた集団であることにより、その責任は大きく、自己をより多く犠牲にしなければいけないという事だからである。
センムト/Semut <人物>
出自が不明で、ある日ハトシェプスト女王の側にいた人物である。ハトシェプストとトトメス2世の子であるネフェルゥラーの教育係となり、その後国家の要職を数多く兼任した。そしてハトシェプスト女王葬祭殿を建設するに至る。その後は葬祭殿の下に自分の墓を作り、ハトホル神殿に自分の彫刻を刻んだが、これがハトシェプストの知るところとなり職務を解任された。その後年、失意のうちに亡くなったとされている。現在も謎の多い人物の一人である。
千物語/1,000 stories <書物>
千夜一夜物語の大元になった書物であり、この書物がアラビア語に翻訳されて千夜一夜物語が完成した。その後も、多くの作家によって話が加えられるなどしたため膨大な量の逸話集となった。現在でも多くの国の人々に読まれ、親しまれている。
千夜一夜物語/The Book of One Thousand and One Nights <書物>
アラビア語でまとめられた説話集。千物語という書物がアッバース朝の時期にアラビア語に翻訳されたとされている。それがヨーロッパに渡ったのをきっかけにフランス語に翻訳されて世界中で親しまれる本となった。正式に1001夜分収録された本が出版されたのは19世紀に入ってからだが、それまでも多くの人に親しまれてきた。 日本でも、多くの翻訳された千夜一夜物語が出版され、有名な話は児童書などに載せられるなどして親しまれている。
即身仏/Living body Buddha <用語>
仏教では僧侶が瞑想状態のままに絶命し、ミイラ化したものを即身仏という。この背景にあるのは入定という概念だが、これは死を死ではなく、永遠の生と捉える考え方である。そのため入定し、即身仏となった人間は肉体も永遠性をえることが出来ると考えられていた。
ソビエト社会主義共和国連邦/Union of Soviet Socialist Republics <国>
1922年から1991年までに存在していた国で、世界初の社会主義国家であった。現在のロシアの前身となった。首都はモスクワで、第二次世界大戦では圧倒的な戦力でドイツ軍を撃破し、アメリカ、イギリスとの密約を破棄して単独ベルリン入城を果たした。その後、第二次世界大戦終戦間近になると、日本との不可侵条約を一方的に無視し、北方領土への侵攻を開始した。終戦後はアメリカとの冷戦状態に入り、軍事拡大や核開発を初めとする様々な方面で競い合うようになった。結果として内部問題を置き去りにするようになったソ連は政治崩壊し、現在のロシアに取って代わるようになった。